代表

2011年3月11日、東日本大震災が発生したあの日から、幾らか時間が経ちました。

しかし私は、あの日の夜報道に触れた時の衝撃、そして震災後初めて現実の光景を目にした時の以前のものとはまた違った衝撃を忘れることが出来ません。


震災発生の翌月に大学へ進んだ私は、「東北のために何かしたい」という漠然な思いしか持っていませんでした。それを実際に形にしてくれたのが、この東大-東北復興エイドでした。夜行バスで現地に向かい、被害の大きかったという地域で一旦バスを降りた時、画面を通してその光景は何度も目にしていたはずなのに、その余りの衝撃にまさに言葉を失いました。「生活」が確かにそこにあったということは分かるのに、今はそれが感じられない。いつになったら戻ってくるのかも分からない。作業を終えて東京へ向かうバスの中で、私も前代表と同じように「必ず今後も東北へ来ること」を決めました。そしてその後、運営メンバーに加わりました。


先日、あの日から1年半となった時に感じたことがあります。あれだけ多くの人が苦しみ、悲しんだ出来事が、風化してしまっているということ。それは予想以上でした。しかしそれならば、こうした活動を続けている私たちにはやるべきことがあります。

「3.11を、東北を、忘れない」 そういう人の輪を広げること

私がかつてそうであったように、私たちの活動から、少しでも東北のことを想う支援の輪が新たに広がるきっかけが生まれてほしいと、時間の経過には逆らえないことを実感する今、切に願います。「復興」は、まだまだ終わっていません。

私はもう何度も東北を訪れてきました。色々なものを見て、聞いて、お話して、色々な方々と出会ってきました。

震災に直接あわれた方々の心情を私たちが理解しきることは出来ませんが、それでも私たちを必要としてくれ、訪れれば「何だまた君が来たのか〜」と笑顔で迎えてくれる。私も、他の運営メンバーも、そうした方たちの力にほんの少しでもなりたくて活動を続けています。これからもその考えに変わりはありません。

当初私が思っていたのは、「東北のために」。それももちろんそうですが、「東北の方々のために」出来ることをしていきたい。


これまで私たちの活動を御支援して頂き、また御協力して下さった多くの皆様に改めて感謝申し上げます。

おかげさまで、昨年6月の設立以来のべ1800人以上のボランティアを東北へ派遣し、様々な復興支援作業に従事していただくことができました。こうしてUT-Aidがこれまで僅かながらも確かな貢献をすることができたことも、そのことを評価いただけたことも、偏に皆様の御支援御協力のおかげでございます。

今後とも、何卒宜しくお願い致します。



2012年9月18日 東大-東北復興エイド第2代代表 東京大学2年 青木建吾



先代の代表挨拶はこちらからご覧いただけます